
アメリカのリーマンショックを発端とした世界大不況。バブル崩壊後、長引く不況から脱しようとしていた日本企業の努力にもかかわらず、景気回復にさらなる影を作ってしまいました。
そして、この不況は決して企業経営の在り方だけに問題があったわけではなく、日本の社会構造そのものに問題があるのだと、多くの国民に知れ渡るようになりました。(ここでは政治政策はあえて問題として取り上げません)
先日、日本人の自殺者数が12年連続で3万人を超えたと発表されました。生きていくことがこんなにもつらい日本に、果たして未来はあるのでしょうか?
本書に幾度となく出てくる「閉塞感」という言葉。この言葉が、私たち社会人に重く圧し掛かっていることを、本書はあらゆる事例をあげながら、明らかにしてくれます。
日々、希望もなく仕事に打ち込んでいる多くの社会人にとって、本書は、本当は"知りたくもない""見たくもない"現実を突きつけてきます。
したがって、本書を開くには相当の覚悟が必要です。読み終わった後、さらなる「閉塞感」に襲われるか、自らの力で生き抜くことを決意できるか、、、どうであれ、現実を知るために読んでおくべき本であることに間違いありません。
■「日本町」という疑似世界の中で働く、7人の登場人物。
1.売り手市場 売れていくのは 新卒だけ......山本一郎(30歳、派遣社員)
2.晴れの入社式 夢も希望も 捨ててまいりました......山本二郎(22歳、学生)
3.二人産んだら あとがない......鈴木花子(37歳、女性一般職)
4.朝起きて 会社に来ると 胃が痛い......鈴木健一(41歳、主任)
5.窓際部長と呼ばれて......山田良夫(54歳、部長)
6.末は博士かフリーターか......中村博(30歳、大学院博士課程)
7.正社員にも身分制がある現実......山本太郎(57歳、下請け会社係長)
この7人は、今の世の中の雇用問題を反映させた人々です。彼らが、この厳しい現実にどう踊らされていくのか、そしてその行く末は......。
一人の問題は、その一人の解決では終わらず、全ての人の問題が複雑に絡み合い、連鎖しています。そして、私たちを取り巻くこの深い問題を解決する方法は、正直あるのか疑問です。
決して明るい未来は見えないけれど、そこから逃げるわけにはいけません。一人でも多くの人がしっかりと目を見開いて、希望を作りだしていかなければなりません。
答えが見つかりませんでしたが、とても考えさせられる内容でした。激おすすめです!!
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7割は課長にさえなれません (PHP新書) PHP研究所 2010-01-16 by G-Tools |
2010年2月 6日
具太郎
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