
ウォーレン・バフェットによる経営理念を知ることで、長期投資家としてのあり方を学べる一冊。
ウォーレン・バフェットは現在もまだ御健在の投資家である。彼の投資スタイルは株式を数10年や永久といった長期で保有するところにある。アメリカの株式投資といったらウォールストリートに代表される短期売買が主流であるものの、彼の投資スタイルは、このウォールストリートとは対照的でメーンストリートの王道とも賞されているらしい。本書では、ウォーレン・バフェットの生い立ちと彼の投資哲学が記されている。
目次
序章 ITバブルに踊らなかった「オマハの賢人」
第1章 生まれながらの投資家
第2章 「米国株式会社」に君臨
第3章 コカ・コーラとともに
終章 バークシャーは永遠に
彼の投資スタイルはシンプルで、以下に示すような3ステップを経る。
1.自分のよく知る分野で、数10年間は継続して利益があげられそうなモノを扱う企業に注目する。
2.その企業の経営者をみて、企業を判断する。
3.上記2つで気に入った企業が見つかれば、財務諸表の分析により適正な株価を見積もり、株価が割安になったら買う。
バフェットの最もすごいところは、我々一般市民と全く同質の情報から投資先を見つけ、高いリターンを得ているところである。そのため、彼の投資スタイルは我々一般人にも十分マネできるシロモノである。この点において、バフェットがウォールストリートではなく、メインストリートの王道と呼ばれるゆえんである。長期投資家にとって読んで損のない1冊である。
そして、そのバフェットが貫く企業理念もまた非常に参考になる。以下にそれらを記す。
基本姿勢:悪いニュースは直ちに公開せよ
経営上の目標:長期にわたって株主価値を最大化すること
事業上の目標:長期にわたってキャッシュフローを最大化すること(p.251)
ただ、この本の難点は、米国企業や登場人物が多すぎて覚えきれないところである。ディズニーやコカコーラといった日本でも有名な企業はよいが、ガイコやバークシャー、ダウ・ジョーンズといった企業はあまり耳にしない。これらにいろいろなカタカナ表記された人物名(アイズナー、デナム、メリウェザー、バンクロフトなど)も加わり、企業なのか人なのかの区別もあいまいになってくる。何度か、この人はだれだったか?と混乱してしまうことがあった。米国経済にウトい人にとっては、本書はちょっとツライかもしれない。
最後に"天才"についてちょっと考察してみる。
バーフェットを一言でいえば、株式投資の天才と賞される。そして"天才"という言葉を聞いただけで我々凡人はとたんに萎縮してしまう。しかし、よくよく考えてみると、天才と賞される方々の特徴は、自分の強みを最大限に活かしているところにあるのではないかと最近になってようやく気づいた。本書では、バフェットは暗記が得意で数字に強いと書かれていた。バフェットはこの特技を会社の財務諸表にあて、結果として株式投資の天才という称号を得ている。つまり、たとえ自分は凡人だと自認しているとしても、自分の強みを最大限に活かして仕事をすれば、周りが勝手に天才だと勘違いする可能性はある。世の天才と賞される方々は、少なくとも、ドラッカーがよく言う"強みを活かす"ことを実践ただしているのであろう。
自分の強みを知り、強みを磨き、強みを活かす、そうすればきっと夢が叶う気がした。
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最強の投資家バフェット (日経ビジネス人文庫) 日本経済新聞社 2005-04-29 by G-Tools |
2010年3月 7日
lhflux
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